「立原位貫 ギャラリートーク」
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「立原位貫 ギャラリートーク&実演」
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▲食い入るように見つめる参加者達(2009.5.24) | ||||
立原さんの浮世絵作品の版木はM&Y記念館しか飾られていないので、津山の人はラッキーですね。 ★歌川国芳が好きな理由 ★今回は、立原位貫さんが約20年前に彫った版木を持ってきてください、作品を摺るところを、多くのギャラリーの前で見せてくださいました。 |
▲喫茶室でお話しする立原さん夫妻 ▲ばれんの話を伺う ▲赤版は紅花 |
▲質問に応えながら作業 ▲一枚一枚丁寧に見当合わせをして。 ▲3版摺ったところ |
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▲M&Y記念館2階に飾られている版木の前で説明を聞く皆さん。摺る紙の質など色々と質問が飛んでいました。昔は摺った後の版木は捨てていたそうです。 |
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★浮世絵の技術 | 髪の毛の部分は、1ミリの中に3本の線を彫っているなど、彫りの技術の部分が強調されることが多いのですが、立原位貫さんの復刻の仕事は、彫って摺るまでに80%が終わっているとのことです。 それは、当時の紙、絵の具、版木など復刻に必要なあらゆるものの原材料から製法までを調べ、集め、作ってもらうことで、初めて復刻に取りかかれるということだそうです。 立原位貫さんの技術は、それらがそろって初めて活かされるのであり、そこに行き着くまでの時間と努力が80%を占めるということだそうです。 |
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★技術の伝承 | 技術や技法は、言葉で言えば簡単に言えるのですが、実際にやってみると出来ない事のほうが多いそうです。立原位貫さんも弟子を取ったこともあるそうですが、「大事なことを教えてくれない」といわれた経験があるそうです。 技術の伝承というのは、言葉だけでは伝えられないものであり、見る事や経験することや比較することなど、体で身につけるしかできないものだそうです。 浮世絵の技術も、明治という時代で失われたものが多く、浮世絵の復刻に取り組む立原位貫さんが技術を体得するには並大抵でない苦労があったことが想像できました。 |
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★刷毛 | 版木に絵の具を広げるために刷毛を使いますが、その刷毛の毛先に絵の具が十分含まない間は、版木に絵の具がのらないそうです。したがって、刷毛先に絵の具を充分含ませるまで何度も絵の具を広げてゆく作業が必要だそうで、摺るまでには時間がかかるそうで、今回は少し時間短縮での摺りの実演となりました。 | |||
★絵の具 | 絵の具はもちろん江戸時代につかわれていたものと同じ材料の物を使っているそうです。また、絵の具の色は7色のみで、みどりや紫といった色は、色を重ねて摺り作り出すか色を混ぜ合わせて作り出すそうです。 | |||
★和紙 | 今回の実演では、テレビでも紹介された高知の和紙を使って摺ってくれました。江戸時代の和紙は使い終えた和紙をすき返したものを混ぜているそうで、立原位貫さんも同じようにして和紙を作ってもらっているそうです。 また、歌麿の時代と国芳の時代では、和紙の厚みにも違いがあるそうで、厚みの違いによって摺りも変わってくるとのことです。 |
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★ばれん | 摺りに使うばれんも分解して中を見せてくれました。中には、竹の皮をよったものが巻きつけられていて、その太さの違いで使い分けをしているそうです。手で押さえる台紙の部分も何枚もの和紙が重ねられ力が均等に伝わるように作られているそうです。 ばれんは多数持っていますが、(感覚的に)手になじむものを中心に、実際に使うものは限られたものが多いとのことです。 |
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★色版・見当 | 主版(おもはん)をベースに色版を作るのですが、まずは主版から摺られたものを色版を作るための版木にのりではってゆきます。その時、それぞれの版木に同じように(伸び縮みなく)貼ることにより、摺ったときにずれがない浮世絵が作れるそうです。したがって、この作業が狂うと、いくら見当が彫られていても色が合わないそうです。 | |||
浮世絵がどのような道具と行程で摺りあがるのかを知る機会はめったにないと思います。 今回は、ギャラリートークと共に、摺りの過程を目の前で見せていただけたことは、非常に貴重な機会だったと思います。 立原位貫さんにとっても、これだけのギャラリーの前で、浮世絵を摺ったことはあまりないそうで、丁寧な説明を加えながら実演をしてくださいました。 本当にありがとうございました。(文:M&Y記念館) |
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「立原位貫 ギャラリートーク&実演」2009.5.24の予告 |