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修行って実際どんなことをするの?

本源禅寺の現在の住職は、先代の住職である祖父が亡くなられた後、岡山の国清寺 ですごされました。そして大学を卒業後、京都で3年間の修行を積まれたというのですが「修行って何するの!?」という私たちの疑問に興味深いお話を聞かせてくださいました!

■1日の予定

◎午前3時 起床

起き抜けになんと読経を40分間!眠いし...冬なんて足がちぎれそうに冷たい...。

◎午前4時頃 朝食

自分たちでおかゆをつくって食べますが、ほんの数秒で食べきれるごくわずかのおかゆ。
朝食後には座禅をします。

◎午前中 托鉢(たくはつ)もしくは説法を聞きます

「托鉢」とは市内を行脚し、檀家さんの家をまわる修行です。
その昔インドでは、僧は人から受けた食べ物しか口にしてはいけなかったそうです。
欲を捨てて、修行に専念していたのですね...。

◎午前10時30分 昼食

おやつの時間!?と思ってしまいますが、よく考えてください。
午前3時に起きているのです...。
この昼食、量がハンパない!!なんと一人三合ものご飯を食べるんです。残すなんて言語道断、尋常ではありませんね。
ただ、白米:麦=3:7なので、お腹にもたれないのだそうですよ。
これも托鉢の際に檀家さんのお家で食事をいただく時、残さないためにも訓練として必要だそうです。
檀家さんの心づくしのおもてなしはお料理の量がとてつも無く多いそうです。お鍋に山盛りのすき焼きを二人で食べたこともあるそうですが、その時はさすがに二人で「どうしようか?」と顔を見合わせたそうです。残しちゃ〜いけませんからね。これも修行の一貫なんですね...

◎午後 畑仕事や掃除、薪割りなどの作務

午後はそれぞれ担当の作業をします。その中でも楽しいのは畑仕事!
畑仕事は一人に任されるので、好きなように作物をつくれるそうです。ただ、畑でとれた野菜で食事を作るのですから、万が一失敗したら大変!他の人達にたいそう怒られるそうです。そりゃそうだ...命にかかわりますからね。

◎夕方 読経

◎午後5時頃 夕食(薬石)

昔は正午以後の食事は禁止されていたため、温めた石をお腹にのせて空腹を紛らわしていたことから夕食を「薬石」というのだそうです。

◎夕食後 午後10時頃まで禅堂で座禅

◎午後10時頃から縁側で座禅

◎午前0時 就寝

さすが禅宗。座禅の時間が長い...。
なんと20時間座禅をすることもあり、その時は一日中叩かれるそうです...。座禅は苦行ではありませんが、でもこれは辛いですよね。
そしてよくよく考えてみると睡眠時間が3時間もない...?ということで、修行僧のみなさんは相当な睡眠不足だったようです。
弁事(べんじ)という休養日があり、この日は数時間の外出が許されますが...もちろん、睡眠不足。
嬉しくて外出した先で居眠りをして、門限を過ぎてしまうと!!!「弁事止め」と言って半年間休養日がなくなるそうです。
実は本源禅寺の住職も「弁事止め」をくらったことがあり、解禁になったとたんまた外出先で寝過ごしてなんと1年間外出できなかったことがあるとか...。厳しい〜〜〜〜!!!仕方ないですね。修行中ですからね。

「あれ?お風呂はいつ入るの?」と思われませんでしたか?お風呂は4と9のつく日に入ることができます。
これを「四九日(しくにち)」と言って、大掃除の日なんだそうです。そして和カミソリでお互いの頭を剃り、その後お風呂に入ります。
「夏どうすんの〜?」と思いきや、井戸で行水ができるということで、なんだか安心しました。

好きなものを好きな時に食べ、買い物に行き、お風呂に入り、テレビを見て、ぐ〜ぐ〜眠る...。
こうしてみると、私たちが当たり前だと思っている生活って「我」のオンパレード!!
少しでも思い通りにならないと腹を立てたり悲しんだりして苦しむ。それは「我」の強さゆえ。
怒り・悲しみ・苦しみから逃れるには、あるがままを受け入れて「我」をいかにして取り去るかが大切です。
幸せになるには、今の状況を変える必要はないんですね。自分が変わればいいだけのことなのです。

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